肘の痛み

腕相撲大会で痛めた肘

症状の内容

1週間前に職場の腕相撲大会で、一気に腕を倒された際に右ひじを痛めた。
肘を全く伸ばせなくなり、1週間経過して少しだけ伸ばせるようになった。受傷直後は上腕部が痺れていた。その後は、肘を庇いながら生活したので、背中や肩が辛くなった。
整形外科に行っても意味がないと思い当院を受診。

治療内容と経過

初診:肘が伸ばせないとのことなので、初めは無理やり上二頭筋が引き延ばされて痛めたのだと思ったが、アザが二頭筋付着部である肘窩の中心部じゃなく、肘の内側なので前腕屈筋群による関連痛だと疑った。しかし、肘が伸ばせないとのことや、腕相撲で負けた際の動きを確認すると円回内筋も関係していることに気付き治療した。
2診:前回治療後、次の日は凄く痛かったが、その後とても楽になった。肘は伸ばすことができるようになったが、肘の回外が出来ない。上腕外側、肘窩が辛い。
3診:凄く調子は良いが、あと一歩という感じ。上腕後外側はいつ痛くなるのか分からないが、突然、ズキっと痛くなる。前腕前側(橈側手根屈筋)は手首を伸展したり、筋肉のラインを押すと痛くなる。回外筋は押すと痛い。肘窩の痛みは無い
4診:腕の調子は凄く良い。長くかかるかと思っていたが、3回の治療で治るのは凄いとのこと。今日はメンテナンス的な治療で終了。

 

テニス肘

症状の内容

半年ぐらい前からフォアハンドストローク、フォアハンドボレー、サーブを打つときに右ひじの内側がズキッと痛む。右手首の小指側も痛む。1ヶ月前に病院に行きシップを処方され、テニスを休むように言われたが治らない。その後、整骨院で電気とマッサージを3回、サポーターも付けているが、やっぱり治らない。

治療内容と経過

初診:前腕屈筋群と伸筋群を治療。鍼が初めてとのことで軽めに行う。
2診:前回治療後、2日ぐらい痛みがひどくなったが、その後はびっくりするほど軽快し、肘の痛みは7割減少。痛みがすごく減ったので、テニスをやったら、また、痛めてしまった。鍼治療がどんなものか分かったようなので、本日は手加減なしで治療。
3診:初診時の痛みを10とすると、今日の痛みはゼロか1ぐらい。ほとんど何も感じないが、ボレーをすると少し違和感が出る。前回同様の治療を行い、また、痛くなったら来るように伝えた。

テニス肘や野球肘は前腕の筋肉を緩めれば簡単に治る。ただし、一般的に言われている「バックハンドテニス肘は伸筋、フォアハンドテニス肘(野球肘)は屈筋を治療する」と区別するのではなく、どちらも伸筋群が原因で受傷していることが多いので、常識にとらわれずに治療したほうが良い。
また、中途半端に治った状態でプレーを行うと、今回のように再発しやすいので、治療期間中は軽めのプレーか休養を指導すること。

 

仕事で痛めた肘

症状の内容

1ヶ月ぐらい前から、懸垂、重いものを持つ、物を掴んで引き下げるなど(肘関節屈曲の動き)をすると、右肘窩を中心に右肘全体が痛む。不意に右手を床についたりしたときも痛くなる。
放置しておけば治ると思っていたが、1ヶ月経っても治らないので来院。痛めたきっかけは思い当たらない。

治療内容と経過

初診:車の整備工で、寝ながら懸垂の動きをしたり、重いものを掴んだり、引き寄せたりが多い様子。前腕後側、上腕屈筋群の治療で様子を見る
2診:前回治療後、肘の痛みは半分以下。全体的に良くなっているのを感じる。腕をついたときにズキっと痛かったのは何となく痛いに軽減。最も痛い動作は肘関節を回外して屈曲すると肘の外側が痛い。腕橈骨筋と前腕後外側を治療ポイントとし、他に肘関節屈筋群を治療。まだ痛かったら来るようにと告げて終了。

肘関節を回外させて屈曲すると痛みが出るとのことなので、上腕二頭筋を考えがちだが、痛みの出るポイントが二頭筋付着部でないことから、治療ポイントを変えたのが良い結果に繋がった症例。